自分が今使っている黒単タッチ赤のデッキについての記事を見かけたので、練習の意味も含めて翻訳に挑戦してみました。内容の理解できない表現が20個以上はあった故、内容が飛んでいたり多分間違っていたりで翻訳記事としての体裁は保っておりません。そのあたりを了承して読んでいただければと思います。日本語訳についてのアドバイスやお叱り等は甘んじてお受けするつもりなので、英語の上手な方はよろしくお願いします。

BR Devotion at GP CincinnatiBy Eric Froehlich // 30 Mar, 2014

http://www.channelfireball.com/articles/br-devotion-at-gp-cincinnati/

私は普段、グランプリのためにこれといった特別な準備はしません。大会に参加したその時々で、ベストなパフォーマンスを尽くすように努力しますが、準備に割く労力は僅かなものです。実際、特定のフォーマットにおいて、準備そのものが大きな問題となることは少ないです。レガシーのようなフォーマットは環境の変化が乏しいですし、モダンについては環境に存在するほとんどのデッキについて使用経験があります。リミテッドに関しても、環境を理解するのに十分な量のドラフトを行っています。(シールドについてはいつもというわけにはいきませんが)

しかしスタンダードフォーマットは他と異なっています。環境は常に変化し、そのメタゲームは、定期的に行われる小規模な大会から大規模なトーナメントの結果よって常に左右されます。もし、私がこのグランプリで結果を出そうとして、実際に試合に勝とうと思うのであれば(今シーズンの私には縁遠いものとなってはいますが)、所謂準備というものをしなければならないと感じています。

私は黒単信心というデッキが本当に好きであります。大会で使わないときも、きちんとスリーブをかけ、ここ数カ月私が使用してきた他のスタンダードのデッキとテストプレイできるように、ストレージに入れて持ち歩きました。結局どのトーナメントにおいても、黒単信心は第二の選択肢以上のものにはなりませんでしたが、その理由としては、僅かしか準備をしなかった私よりも、多大な労力を割いて準備に取り組んだ友人らのデッキを信頼したことが大きいです。私は十分なテストプレイをしませんでした。しかしその友人らでさえ、オーウェン以外は誰も、大きな結果を残せていませんでした。

神々の軍勢の加入によって、環境は当然変化します。カードセットの弱さ次第では、それほど大きく変化しないかもしれないですが、ともかく変化は起こります。胆汁病は、黒単信心の視点から言えば良くもあり、悪くもあるカードです。最も注目すべきはクルフィックスの狩猟者で、緑を使うプレイヤーが増えました。また青白占術土地の登場は、スフィンクスの啓示を使ったコントロールデッキを強化すると同時に、青単信心に白をタッチする選択肢をもたらしました。


群れネズミについて

「黒いデッキなのにネズミが入ってないは何故?」これは実際にあった質問です。また、このカードについての質問はたくさんの人から受けました。

もしあなたが、群れネズミを「ただ強」なカードであると考えるならば、あなたは黒単信心タッチ赤を使うべきではないでしょう。トーナメントの前にデッキについて尋ねてきたすべてのチームメイトと友人に、私はそのように言いました。そして、あなた方にも同じことを言いたいのです。もしも群れネズミが、是非とも使いたい「ただ強」なカードであるならば、我々は純正の黒単信心から逸脱すべきではありません。

結局私は、群れネズミは「ただ強」ではないと結論しました。特定のシチュエーションにおいては素晴らしい働きをしますが、それ以外では役に立ちません。

まず、群れネズミは青白系のコントロールデッキとの対戦では、引きたくないカードです。死に札を捨ててネズミを増やすことが出来る点は確かですが、それによって相手に致命傷を与えることは珍しく、大体の場合、そうする前に全てのネズミを対処されておしまいです。また死に札を引かなかった場合、カードを捨ててネズミを増やす事は、将来的に役に立つかもしれないカードを捨てているわけで、全く損をしていないことにはならず、そうしなかった場合はただの1/1が戦場に残るばかりです。私はこういったカードが好きではありません。そもそも死に札をたくさん引くようなゲーム自体がレアケースです。

一般的に青白系コントロールとのマッチでは、クリーチャー除去は不要牌になると言われてはいます。しかし胆汁病はエルズぺスのトークンを一掃してプレインズウォーカーへの攻撃を通したり、時間を稼いだりと存外に役に立ち、私がtop8を逃したGPのマッチでは、相手のエルズぺスのマイナス能力起動に対応して、自分の冒涜の悪魔に胆汁病を撃って回避するということもありました。肉貪りに関しては、相手の変わり谷を除去したり、霊異種に対しては濃霧のような働きもします。素晴らしい働きとはとても言えませんが、全くの不要牌というわけでもないのです。

今まで群れネズミは、黒単信心にとっての鬼門でありましたが、胆汁病の登場によって明確にその威力を減じています。もはや5ターン目に群れネズミをキャストして勝ち確というわけにはいかないのです。「ネズミゲー」を展開するにあたっては、全てのネズミを処理されて負けるリスク、将来的に使えるかもしれなかったカードによるアドバンテージを失うリスクを負うことが必要になります。1ターン目に思考囲い、2ターン目に群れネズミのドブンパターンでの勝利というゲームも確かに存在し、鮮烈な印象とともに目の当りにした人々の記憶に残るでしょうが、実際にはそんなこと頻繁には起こりません。

群れネズミは、青単信心に対しても拘留の宝球によって相性を悪くしています。全てのリソースをネズミに投入して丸ごと対処されなければ、この種のアグロデッキに対しては勝つことができます。しかし私はそういったリスクをとることは好きではありません。

また、群れネズミは緑のクリーチャーを相手にサイズで上回ることも難しいです。一応2ターン目に群れネズミを着地させれば、ポルクラノスと殴り合うことはできますが、最近のグルールモンスターズは黒をタッチすることで除去を搭載しており、ネズミキープをしてしまった場合などは、ミジウムの迫撃砲などの除去に対して、常に脅かされることになります。

群れネズミと思考囲いの組み合わせは未だ強力であり、その単一の戦略だけでゲームに勝利することができます。しかし、どのマッチアップにおいても、自身のカードで破滅してしまうリスクのあるカードは、私がデッキ構築の中心に置きたいと思うものではありません。

私は、引いてきた土地をフルに活用して、ミッドレンジやコントロール相手にゲームを終わらせ得るような大きいX呪文を唱えることが好きです。群れネズミとラクドスの復活は非常に相性の悪い組み合わせです。一方は余分な土地を捨てることで活用し、もう一方は引いた土地を全てプレイすることで活用するのですから。ラクドスの復活は非常に強力であり、群れネズミは明確に弱くなっているだけに、この判断は容易に下すことが出来るはずです。もしあなたが、それは違うように感じるというのであれば、そもそも赤をタッチする理由がないことになります。



デッキについて
最初に調整に取り掛かるとき、一応自分の中では2,3のテンプレートとなるリストがありました。以下はMOで見かけたリストで、最初にLSVに送ったリストでもあります。

メインボード
11 x沼
3 x 山
4 x 悪意の神殿
4 x 血の墓所
3 x ラクドスのギルド門

4 x 夜帳の死霊
3 x 冒涜の悪魔
3 x アスフォデルの灰色商人
2 x 嵐の息吹のドラゴン

2 x ラクドスの魔鍵
2 x 胆汁病
2 x 肉貪り
1 x 戦慄掘り
1 x 破滅の刃
4 x 英雄の破滅
4 x 思考囲い
4 x 地下世界の人脈
2 x ラクドスの復活

サイドボード
2 x 強迫
3 x 生命散らしのゾンビ
2 x 狂気の種父
3 x 神々の憤怒
1 x ラクドスの復活
3 x 破滅の刃
1 x 闇の裏切り

私の最初の試みは、赤を濃くしてドラゴンを採用することでしたが、これではデッキ自体が遅くなりすぎました。加えて、高コストなフィニッシャーというものは、実際のところそんなにたくさん必要であるのかという議論もありました。ドラゴンは非常に強力であり、しばしばゲームの決定打となり得ますが、私が考えるところの、ゲームに勝つためのプランに沿ったものではありませんでした。私は数多くの遅いゲームをこなす中で、ドラゴンは必要なものではないと結論しました。

このデッキには変わり谷が入っておらず、山と夜帳の死霊が既に同居していることを考えると、最初これに関しては好印象でした。しかしこの評価は間違いでした。一方で、赤のカードは非常に良い働きをするという予想も立てていたのですが、これは正解でした。神々の憤怒は、MOのテストプレイでは非常に良い働きをしました。かといって、それが悪いマナベースを抱えるリスクに見合っているかというと、そうではなかったのですが。

私はその後、変わり谷を入れるべく二枚の山といくつかの赤いカードを削り、冒涜の悪魔を四枚にして、サイドボードの赤いカードも少しずつ減らしていきました。夜帳の死霊は未だに良いカードでしたが、生命散らしのゾンビの、メインボードからの採用を実験してみたくありました。三枚の夜帳の死霊と二枚の生命散らしのゾンビという配分から始めて、最終的には、最後の山と、三枚目のギルド門、全ての夜帳の死霊を抜くに至りました。生命散らしのゾンビと変わり谷はより良いカードであることを示し、四枚採用しない理由が無い程度には強力であることが分かりました。

ラクドスの魔鍵は素晴らしいカードです。マナの色供給をスムーズにし、大きなアクションの取れるマナ域までランプし、一方で3/1のクリーチャーとなる能力は、中速から低速なゲームにおいて赤の重いデッキが求める便利なものでもあります。結局私はその方針を取ることはしなかったので、最終的に魔鍵は二本ともリストから外しました。このカードは強力であっただけに、リストから抜くのは英断でしたが、デッキの方針と噛み合わないことが決め手でした。また、これによってサイドボードにある二枚目の狂気の種父が殺戮遊戯に取って代わられました。後の考えで、私がGPで使ったリストからはサイドボードの狂気の種父を二枚目の殺戮遊戯に替えています。

メインボード
12 x 沼
4 x 悪意の神殿
4 x 血の墓所
2 x ラクドスのギルド門
4 x 変わり谷

4 x 生命散らしのゾンビ
4 x 冒涜の悪魔
1 x 死者の神、エレボス
4 x アスフォデルの灰色商人

1 x エレボスの鞭
3 x 肉貪り
2 x 胆汁病
1 x 戦慄掘り
4 x 英雄の破滅
4 x 思考囲い
4 x 地下世界の人脈
2 x ラクドスの復活

サイドボード
3 x 強迫
3 x 破滅の刃
3 x ファリカの療法
2 x 悲哀まみれ
1 x 殺戮遊戯
1 x ラクドスの復活
1 x 狂気の種父
1 x 死者の神、エレボス

このリストは私にとっては素晴らしかったです。このデッキを使って、カバレッジに載るのを楽しみにしていた大会の後、私はこのデッキをツイッターに投稿しました。デッキ構築に関係のない話が続くので中略。



最終的なリストでは、死者の神エレボスはメインから採用しており、さながらオールスターの様相を呈しています。トーナメントの上位層におけるほとんどのマッチで、この五枚目の地下世界の人脈は素晴らしい働きをしました。エレボスの鞭はこのデッキの中で一番弱いカードであり、抜きやすいカードであることは確かなのですが、実際にはどのマッチにおいてもそれほど悪くはありませんでした。そしてその性能は、種々の問題に直面したときにより顕著になります。例えば黒単とのマッチではエレボスの鞭一枚でゲームを決められますし、アグロデッキとのマッチではダメージレースを成立させなくすることができます。こういったカードが私は好きではありますが、採用していないリストもしばしば見かけました。戦慄掘りはなかなか良いカードで、特にコントロールとのマッチで役に立ちました。しかし、赤マナをコストに含むことに加えて、ソーサリーであるこの呪文は、常に引きたいカードであるかというと疑問です。四枚目の肉貪りの枠のために全て抜くことも考えましたが、一枚だけ残しました。

サイドボードに行った変更は一つだけで、殺戮遊戯を取るために、狂気の種父を抜きました。それらのカードは両方とも、青白コントロール系のデッキとの対戦でのみサイドインするカードであるのですが、狂気の種父は思ったような働きをしませんでした。私はこのカードは素晴らしいと考えてはいますが、今考えているようなハンデスが10枚も搭載されているデッキでは、狂気の種父をキャストしたところですでに相手のハンドがほとんど空であることの方が多いです。6/4というサイズは魅力ではありますが、ただ単にスフィンクスの啓示をトップデッキされることに対する保険や、相手の勝利手段をはたき落すための手段として運用するならば、2マナ軽い殺戮遊戯の方がより良いでしょう。

アグロデッキへの対策カードの取り方は常に環境に左右されますが、著しく相性の悪いマッチアップは多くはないと予想しました。赤単アグロ、黒単アグロ、そして白単アグロも、環境に一応は存在しています。悲哀まみれは、それらアグロデッキに対する素晴らしい解答で、大体ケアされませんでした。ファリカの療法は、MOに蔓延しているバーンデッキに対しては納得の性能である他、黒単アグロや青単信心に対しても有効でした。恐らくサイドボードにあるカードの中ではMVPです。

私はしばらくの間、強迫を四枚採用していましたが、黒単信心を相手にたくさんの強迫をサイドインするのは間違いであると考えています。というのも、実際のところ強迫が強い場面というものが限られているからです。相手の思考囲いを抜いて自分の地下世界の人脈を守るか、相手の地下世界の人脈を抜いた場合は非常に強いですが、それで相手の脅威が全てなくなるわけではないですし、中盤以降に強迫を引いて腐ってしまうリスクの方が大きいと考えています。ひとたび、黒単に対して強迫が三枚もいらないカードであると分かったからには(たとえエスパーに対して四枚入りうるとしても)四枚目の強迫の部分に死者の神エレボスを採用することを検討できました。エレボスは黒単、エスパーの両方に対して有用なカードです。追加の殺戮遊戯に関しては、コントロールが根強い人気を保っている間は粘り強くサイドに取り続ける必要があるでしょう。

ラクドスの復活は、アグロデッキ以外とのマッチにおいては最も強力なカードであり、多くのアグロデッキとのマッチにおいても非常に強力です。黒単信心とのマッチでは、地下世界の人脈によるアドバンテージ勝負を振り出しに戻す非常に良い手段です。コントロールとのマッチでは、コントロール側がタップアウトしなければならない場面というものが常に存在する以上、ラクドスの復活を撃てる場面もまた存在します。ラクドスの復活は、緑信心系の繰り出す大きなプレインズウォーカーに対処するにも最適な解答であり、ドムリラーデとそれによって引いたクリーチャーの両方を一度に処理したりできます。このカードは、キャストしてすぐに圧倒的優位を築いてくれるカードであり、私が赤をタッチする一番の理由であります。

このトーナメントにおいて、サイドボード後に落としたゲームはたったの四つです。また、そのうちの一つはトリプルマリガンでした。それらは、サイドボードのオプションがいかに優れているかを示しています。私はどのマッチアップにおいても圧倒的優位にいる実感があり、一般的には不利と考えられる対コントロールとのメイン戦においてもそうでした。
以下が、私が対戦したデッキタイプです。

Rounds 1-3 Byes
4. 黒単アグロ(0-2. 3-1)
5. 黒単信心(2-0, 4-1)
6. 黒単信心(2-0, 5-1)
7. バントコントロール(2-1, 6-1)
8. 黒単アグロ(2-0, 7-1)
9. エスパーコントロール(2-0, 8-1)
10. 青単信心(2-1, 9-1)
11. エスパーコントロール(2-0, 10-1)
12. 青単信心(2-1, 11-1)
13. エスパーコントロール (1-2, 11-2)
14. Esper No Counterspells (1-2, 11-3)
15. 黒単信心(2-1, 12-3)

バブルマッチの模様について。Esper No Counterspellsが何のデッキであるか分からなかったので割愛。


デビッドオチュアは私のデッキを信頼して実際に使ってくれた唯一の人間で、11-4という成績をたたき出し、このデッキに関してByeを除いた総合成績としては17-7となりました。私としてはこれは驚くべき結果であり、会場で最も優れたデッキを持ち込むことができたと確信しています。一つのデッキが素晴らしい選択となるかどうかは、様々なメタゲームの変遷に常に左右され続けます。しかし黒単信心はその形を変えつつも、スタンダードにおいて最も強力な戦術の一つであり続けるでしょう。

Eric Froehlich
EFroPoker on everything

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